部活指導研究協会通信

日々、生徒と真剣に向かい合う部活関係者に送ります。部活動が果たすことの出来る役割を最大限に発揮させるための活動を行っています。

なぜ、「ブラック部活」と呼ばれるようになってしまったのか

 部活指導研究協会通信です。

 各メディアに「ブラック部活」という見出しの記事を多く見掛ける。

 部員である生徒が生活のほとんどの時間を部活に取られ、休むに休めない状況になり、心身ともに疲れ切っているという状況を「ブラック企業」になぞらえて「ブラック部活」と称しているようである。 

 また、部活に関わる教員側からも問題提起されており、その場合も過酷な労働実態を捉えて「ブラック部活」と称されている。

 確かに、現状で生徒側からも教員側からも部活で疲れ切って負のスパイラルの陥っている悲鳴が方々から聞こえてくる。

 

 この現状への流れのモトはいったい何なのか。

 

 問題は2つ考えられる。 

 

 1つは、部活動の基本的な名目が、自主的自発的とされているところにある。

 自主的自発的な活動自体についての良し悪しはともかく、この名目のもとでの活動となるとどうしてもプログラム自体の管理責任の所在が曖昧になってしまう。

 まあ、勝手にやってるんだからあずかり知るところではないといった感じ。

 しかし、一方では安全面の責任は直接の監督者に明確にのしかかってくるわけで。つまり、部活というプログラムの管理責任については、当局はたいした責任を負わないのに、現場の監督者には相当な責任が負わされるというシステムになっている。

 2つ目は、職務なのか職務じゃないかという曖昧ななかで維持されている教育活動なので、ほぼ労務管理のないまま一部の教員に負担が過剰に偏ってしまっている。

 本来の業務である教科指導の片手間でやらざるを得ない現状だが、責任はしっかりついてくるし、研修制度についても重要な役割を担った教育活動の割りに現状に合った内容を本腰を入れて考えられたものが見当たらない。

 教員にとっては、時間もない、研修の機会もないといった状況で、この結果、部活の指導スキルの低下を招き、生徒の安全が脅かされる現状になってしまっている、この辺の側面は確かにあるはずである。

「ブラック部活」と言って当局や教員を批判するだけでは、根本的に問題の解決にはならない。ここはしっかり抑えておきたいところだ。

 

 では、この状況を改善するためにはどうのような方向性で取り組むべきなのか。

 部活研の取り組みは大きく分けて二つ

1、部活の指導者に対して指導者講習などを開催して、専門家の正しい情報をもとにした適正な指導スキルを身に付ける機会を増やす。

2、曖昧な制度のうえに成立している部活の現状を広く世間に啓蒙する。

 

この活動の行きつく先に、生徒の安全確保、健全なスポーツ指導の実現があると考えています。

 出来ることから取り組んでいます。

部活研の7月の講習会では、中澤篤史准教授の講演をお願いしてます。

お気軽に連絡下さい。詳しくはこちら↓

bukatsujapan.hatenablog.com