部活指導研究協会通信

日々、生徒と真剣に向かい合う部活関係者に送ります。部活動が果たすことの出来る役割を最大限に発揮させるための活動を行っています。

部活研主催「不可能を可能にしたチーム力の作り方」指導者講習会の報告

こんにちは、部活指導通信です。

 

11月26日の部活研主催の指導者講習会の報告をします。

 先月末、予定通り指導者講習会を開催致しました。
 多くの先生方、部活関係者の方々、そして生徒の参加もあり会場はたいへん盛り上がりました。
 まずは慶應高校テニス監督、松永さんの講演「慶応高校テニス部の不可能を可能にしたチーム力の作り方」から始まりました。
 内容としては慶応高校テニス部の取り組んだ5項目について紹介して頂きました。
以下、講演の概略です。

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1、ルーティーンワークを決めて、やる気のスイッチを入れる。
・慶応高校テニス部が実際に行っているルーティーンワークに使われている集中力カードをスクリーンに映し、20秒間見つめてもらう実験をした。
・結果は集中力テストのビデオが使われ、集中力カードの効果を体感。
(このビデオがなかなか興味深く、会場が一気に和みいい雰囲気になりました)

2、「公智を養う」世の中には絶対的なものはない。
・「公智とは、物事にはそれぞれ良い面と悪い面がある。物事の中からより大切なものを選ぶという考え方」
・モンティーホール問題で、正解を得るための確率を検証して、少しでもより良いと思う選択を重ねることの意味を実感した。
・勝ったか負けたかだけではなく、正しい判断をし続けることが勝ったか負けたかより正しい判断をしたかどうか、正しい判断をし続けると自ずと勝つ確率を上げることになる。

3、「ポジティブな表現を心がける」
・セリングマンの水泳選手実験を紹介。ある水泳選手のグループを心理テストで楽観的な考えのグループと悲観的な考えのグループに分け、タイムを計測する実験。被験者には実際よりも遅いタイムが伝えられ、その後のタイムの変化を検証した。すると楽観的な考えのグループのタイムが伸び、悲観的な考えのグループのタイムは落ちたとのこと。
・この実験を紹介によって発言、行動、視線、表現などに気をつけることが、自分も仲間も心地よい状態を作り出せると実感する。

4、ひとつの行動が全体のイメージを作る。
・「応援されるチーム作り」を全員が意識することが、さらにより良い結果を生み出す。
・細かな一人一人の行動が、チームのイメージを作り、結果として活動しやすい環境を作ることになる。どんなことをしたら良いイメージをもってもあえるか話し合いをした。

5、「練習は不可能を可能にする」
・心も筋肉の様に練習によって鍛えられる。
・忍耐力などの非認知能力を養うことは、将来的な成功に役だつ。
・マシュマロ理論について説明があり、忍耐力を身に付けた者がその後を追跡調査した結果それぞれの進路で成功している者が多いという実験結果を紹介した。

 

 参加者の皆さんは部活内のチーム力を上げるために何をすればいいのか悩んでいる顧問の先生、生徒が多かったと思います。

 チーム力を上げるためのヒントをたくさん得られたのではないでしょうか。1つ言えることは、ただ強制するだけではチーム力は上がらないということだったと思います。

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 これからも部活研は、部活制度の健全化のために具体的に行動します。