部活指導研究協会通信

日々、生徒と真剣に向かい合う部活関係者に送ります。部活動が果たすことの出来る役割を最大限に発揮させるための活動を行っています。

日本版NCAAを中高部活動に応用できないのか

日大アメリカンフットボール部の危険タックルの問題が報道を賑わせています。
この問題は大学運動部の根本を考えさせる大きな事件でもあります。

そもそも大学運動部も自主的自発的に行われている課外活動で、この辺の事情は中高の
部活動問題と同じ側面を持っています。ですから制度設計の曖昧さもあり、問題を大き
くしているような気がします。

実はこの大学運動部の問題についてはスポーツ庁から先般、日本版NCAAの構想が示されたところです。

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NCAAとは、アメリカの大学体育協会です。

活動内容としては、運動部の練習時間に上限を設けたり、試合出場に一定の学業成績条
件を設けることに加え、高校生の勧誘や不祥事の罰則を設け監督したり、また、見るス
ポーツとしての価値を高めることで、放映権料などによる収益を拡大し、その収益を大
学やチームに還元していく役割も持つ非営利団体です。

また、 NCAAは、指導者資格認定試験の受験、資格取得後の更新を義務付けるなど指導
者の資質の維持にも貢献している。日本では無資格の指導者が横行する状況もあり、選
手の安全な競技生活を支える活動にも関わっている。

中高部活動の場合に当てはめると、本来であれば中高体連が同じような役割を果たすべ
き組織なのだと思いますが、大会運営で手が回らないのが現状のようです。

しかし、ここまで肥大化し、制度設計の曖昧さが問題視されている現段階では、大学運
動部を対象に作られる日本版NCAAの機能を中高部活動に応用して、事態の改善を図るという方向性もあっても良いと考えます。

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