部活指導研究協会通信

日々、生徒と真剣に向かい合う部活関係者に送ります。部活動が果たすことの出来る役割を最大限に発揮させるための活動を行っています。

部活指導者への研修会を継続開催をして5年

部活指導者への研修会を継続開催をして5年


◆部活動指導者の研修会を重ね5年
当協会主催の部活動指導員を対象にした研修会は、2014年3月の第1回研修会から年に2回~3回の開催を重ね今年で5年が経ちます。


この5年間、たくさんの部活顧問の先生方、外部指導員の方、教育委員会の部活指導担当の方、さらにPTAの方、その他部活動関係者の方々にたくさんのご参加を頂きました。

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◆指導者研修会の目的とスタンス
研修会の目的は、指導者スキルの向上と部活動に関わる問題への意識の喚起と警鐘でしたが、活動を通して部活動を取り巻く問題に正面から向き合うなか時間を追うごとに当初思っていた以上に問題の複雑さ、根の深さに気付きました。それととも活動の意義も同時に実感してきました。

 

巷には、部活動中の暴言、暴力、パワハラ、過重労働、過重負担が話題になっていますが、当協会の方針としては、これらの問題に対して、まず指導者の意識とスキルの改善に取り組むことを決め、活動を続けてきました。研修会の実施は部活顧問の負担をいたずらに増やすことになるというご批判もありました。

 

実際は、制度、システムを変えることが流れを大きく変えるためには必要なことなのでしょう。しかし、我々のスタンスは隗より始めよ、現場の指導者と接し、ナマの声を聞き、必要な情報を発信することに重点を置くスタンスでここまでやってきました。

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◆制度の見直しとルール作りは確実に必要
部活動が、日本全国の教育現場で、これだけ大きな存在感を持ち、教育的効果が認識されていることは、厳然たる事実なのですが、部活動を支えている人と制度設計は、まだまだ宙ぶらりんで、関係者の我慢と善意のうえに成り立っているのが実情です。一部の人々の自己満足と実績作りに利用されているというネガティブな情報を残念なことに多く耳にします。

 

職務に忠実な教員や指導者に従順な生徒が苦しい思いをするような制度は、改善しなくてはなりません。特に教育現場には、正直者がバカを見るようなことはあってはならないと思っています。

 

部活動制度の現状は、まさに現在、良いも悪いも混在しいる状態なので、今後は良い部分は続け、悪い部分は排除していくルール作りと制度の見直しは確実に必要です。

 

◆曖昧な審査基準で学校現場にに配置される部活動指導員
まずは、2018年スポーツ庁が発表したガイドラインに沿って、教員の過重負担解消のために部活動員指導員の配置が各自治体主導で動きが始まっています。

 

しかし、現実の部活動指導員の採用形式は、人伝をベースにした曖昧な資格審査のもと任命されるかたちです。明確な審査基準がないまま非常勤職員として採用される部活動指導員の資質については、やはり、不安は拭い切れません。そして、これから大量に外部の人材が加速的に学校現場に配置されることで、学校内の秩序を保てるのか、生徒の安全を確保出来るのかについても憂慮されます。

 

◆学校教育の一環の部活指導の理解のためのに
部活動指導員の配置については、日本スポーツ協会が介在して学校と指導者をマッチングするシステムが周知されています。日本スポーツ協会に登録されている指導者は、スポーツ指導者のとしての専門性はある程度担保されているでしょう。

 

しかし、スポーツあるいは文化的な技能を指導するためのトレーニングと併せて必要なことは、学校教育を理解するためにベースとなる知識を得る機会を設定することではないかと感じています。

 

当協会の研修会を通して学校現場の教員の方々には、改めて部活動の抱える問題や背景を知って頂き、出来れば身近な外部指導員の方々に研修への参加のためのお声掛けをお願いしたいと思います。

 

◆秋の部活指導員研修会について
10月部活指導員研修会「学校教育の一環の部活動指導」
日程:2019年10月22日(祝日)
会場:都立三田高校
時間:13:00~
内容:
第1部 部活専門科目:スポーツメンタルトレーニング講習「自身が持てる力を最大限に発揮するためには 」

講師:ココロツクル株式会社 代表 谷野 隆太   
 

第2部 学校一般科目:学校教育の一環としての部活動について、文科省が平成25年5月に作成した「運動部活動での指導のガイドライン」もとに解説
講師:代表理事 中屋 晋         

 

第3部 部活教養科目:部活動研究の専門家による部活動の歴史、現状における問題点、今後の展望等を解説
講師:学習院大学 教授 長沼 豊

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