部活指導研究協会通信

日々、生徒と真剣に向かい合う部活関係者に送ります。部活動が果たすことの出来る役割を最大限に発揮させるための活動を行っています。

文化庁主催「地域での文化部活動のあり方について」に参加して

文化庁主催「地域での文化部活動のあり方について」に参加して
3月3日に文化庁と三菱総研の共催で、今後の文化部活動について、意見交換会がありました。
出演者は、文化庁の部活動担当官、三菱総研の調査官、芸術系大学の先生と地域部活動の実践をされている斉藤先生、そして部活動研究でお馴染みの長沼先生、妹尾先生というい顔ぶれでした。
 
内容は、部活動全般についてと、特に「文化部活動の地域移行」の今後の展開について話し合いがなされました。3時間の内容を全て紹介は出来ないので、印象的なフレーズを時系列で紹介します。

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吹奏楽
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・令和5年を目途に、休日の部活動を地域に移行する準備をしている。(文化庁
・モデル事業で検証しながら進めたい。まずは、モデル地域を指定して、それを踏まえ全国に展開する。(文化庁
・複数校が合同した部活動は、地方大会のあり方が今後問題になる。(文化庁
・大会によって子供たちが疲弊してはならない。(文化庁
・調査の結果、ガイドライン策定後も、合唱部・吹奏楽部の活動日数は多いまま。(三菱総研)
・地域の施設は学校部活動での利用の割合が多い。(三菱総研)
・現段階では、地域移行について検討はしているが、実施には至っていない。(三菱総研)
・文化部活動は、指導者の確保より活動場所の確保の問題が大きい。(三菱総研)
・地域移行は、自治体の協力は必須。(三菱総研)
自治体は、部活動を地域振興に繋げたいと期待しているという事実もある。(三菱総研)
・教員の負担軽減という視点だけではなく、地域の文化継承の観点での取り組みと考える。(三菱総研)
・地域部活動の学びも狙いは、個別最適な学びと協働的な学び。(斎藤)
・地域部活動は、社会的道徳的責任と政治的リテラシーを形成を目指したシチズンシップの育成の場になる。(由井)
・倶楽部は、共に楽しむ場と読める。クラブの根本に立ち返る必要がある。(長沼)
・地域移行ではなく地域展開という言葉の方が、受け入れやすい。緩やかに移行のためには、言葉の使い方も大切。(長沼)
・中学生が地域との交流をする場が少なくて、地域から中学生が消えたと言われた。(芸術系大学)
・現状では、街の文化活動に中学生が参加するには、ハードルが高い。(芸術系大学)
・2つの方向への働きかけが必要。学校の中と学校の外。(文化庁
・部活動は、大学の教員養成の教育課程には位置づけがない。(芸術系大学)
・指導する教員も自分自身の部活動の経験で指導するしかない。しかも、実際は教科指導より時間がとられる。(芸術系大学)
・指導する場合、自身の過去の経験がベースになっていることが問題。(芸術系大学)
・学校教育に理解がある人が指導者として配置されか疑問。(芸術系大学)
・意識改革は絶対に必要。教員の意識改革は並大抵ではない。(長沼)
・まずは、生徒が他校に移動することに慣れる必要がある。指定バスを利用も考えられる。(長沼)
・部活動を、目的別に部活動を再編すべき。コンクールを目指しても、目指さなくても、参加できるように。異年齢でも、、(長沼)
・「地域移行は、教員の負担軽減のためなのか」それだけでは、理解は得にくい。(妹尾)
・「さまざまな意義のある部活をなぜ切り離すのか」という現場の意見、ある意味本音、、(妹尾)
・部活動改革を進められているが、残業80時間を超えた先生の割合は変わらない。(妹尾)
・「部活命」という先生がいるでの、丁寧な説明と子供目線を忘れてはならない。(妹尾)
・部活を学校に意義があるなら、学校内外のいろいろな方々に関わってもらう体制であるべき。(妹尾)
・地域移行で、経済的な負担が増えるなら限定された生徒のみのものになってしまう。(妹尾)
・地域移行しても、教員の生徒に対する責任、指導責任は、変わらないのでは。(妹尾)
・「地域への向けてのガイドライン」が必要になる。(長沼)
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