部活指導研究協会通信

日々、生徒と真剣に向かい合う部活関係者に送ります。部活動が果たすことの出来る役割を最大限に発揮させるための活動を行っています。

同調圧力の二面性~無理強いにならない部活動の教育的配慮のあり方を考える~

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◆規則で加入を強制されているわけではない
やりたい人がやれる部活動、やりたくない人はやらなくていい部活動、これは全員加入の部活動の体制と対照的な部活動のあり方です。

加入率の高い部活動の体制について詳しく調べてみると、その多くは規則で加入を強制されているわけではありません。

多くは、いわゆる同調圧力という、集団の空気みたいなものが大きく機能して、加入せざるを得ない状況を作り出しているようです。

当協会の研修会の内容でも、無理強いはしない、やりたい人がやる体制にすべきだという意図の講習をしてきました。これが部活動に関わる問題を解決するための1つの方向だという理解のうえで研修会をしてきました。

 

◆やりたいのにやれない同調圧力も、、
今回の研修会の後に行われた情報交換会の席で、ある先生の発言で気がついたことがあります。

実は、私も教員時代のことを思い返すと、部活動の顧問をしていた時、やはり自分も生徒に部活動になるべく加入するように指導していたような気がします。

なぜ、そう思ったのか改めて思い返してみました。

まず1つは、生徒に押し付けるつもりはないのですが、単純に部活動の教育的効果を考えて、生徒のためになると思って勧めていたと思います。

もう1つ、部活動に参加して欲しいと思った理由、それは、全体がやらない流れになった場合、それに個々の生徒の意識が流されてしまわないかということを危惧していた気もします。

今回気が付いたのは、やりたくないのにやらされる同調圧力と、それに対して反対のやりたいのにやれない同調圧力ということもあるのではということです。

 

◆バイアスを掛けずに判断したら
つまり、参加する方に流れる場合も参加しない方に流される場合もあるということです。どちらかと言えば、そもそも人は易きに流れるというか、消極的な行動に流される度合いの方が大きい気がします。

例えば4人の友達がいて、3人が帰ると言った時、残りの1人はやりたいのに3人に合わせて帰る選択をしたとします。この場合は、やらない方に流される同調圧力になるのではないか。

この選択は参加が自由選択が可能になった結果で、それでむしろ健全な状態で良いという考え方もあると思います。

部活動の参加について、教員からの勧めや調査書の記載などのバイアスも掛けずに判断をさせた場合、果たして部活動への加入率はどうなるでしょう。

もしかしたら、現代の高校進学率、大学進学率も進路指導の結果なのでしょうが、実は単なる同調圧力の結果なのでは、その辺りは微妙な気もします。

 

◆部活動についての教育的配慮のあり方
いずれにしても、きちんとした予備知識を与えたうえでの選択に導くことが教育という観点では、重要なプロセスになるのしょう。これが、いわゆる教育的配慮と言われるものになるのだと思います。

部活動について、やりたい人がやる、やりたくない人はやらないという任意の選択権が可能になったとすれば、部活動の意義や必要性について伝える機会も同時に設定していくべきではないかと思います。

本当の意味で自由選択が保証される状態に近づけるためには、部活動についての教育的配慮のあり方も具体的に検討する必要があるかも知れません。

日本スポーツ協会が部活動マッチングサイトを8日に開設

日本スポーツ協会が部活動マッチングサイトを8日に開設しました。

今後、スポーツ指導の専門家の学校現場への派遣が加速されると思われます。
https://www.japan-sports.or.jp/coach/news/tabid884.html

指導者の登録ページには、資格や実績などをPRする自由記述欄があり、募集者が選考するうえで大きな基準になるそうです.


3月16日の当協会主催の部活指導員研修では、受講者に受講修了証を発行します。
是非、研修実績として活用して頂ければと思います。
申し込みはこちら
https://kokucheese.com/event/index/551487/

 

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2019年3月16日部活指導員研修会

 

「体罰に頼らない安心安全の指導環境づくり」3/16部活動指導員研修会

体罰に頼らない安心安全の指導環境づくり」

3月16日の部活動指導員研修会は、3部構成です。
上記は西澤氏の講演のテーマです。
講師の西澤氏は現在、3D Coaching Japanの代表を務めておられ、全国各地で様々な競技団体の指導者を対象に講演を精力的に展開をされています。
「3D Coaching」は、アメリカで提唱されたコーチングメソッドで、身体、心理、心の3次元へのアプローチによって、目的の明確化を図り、目の前の競技だけでなく、長い目で見た人生においても、高いパフォーマンスを得られるよう人格形成へも効率的に影響するプログラムになっています。
西澤氏はこう語ります。
「体力と競技スキルが同等でも成績に差が出るのは、本人のメンタリティ、チーム内の人間関係や競技環境などが大きく影響すると確信しています。」
指導方法に少しでも悩んでおられる方、是非、受講をお勧めします。
お申し込みはこちら
https://kokucheese.com/event/index/551487/


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日本部活動学会第2回大会(プログラム詳細)

当協会は、日本部活動学会第2回大会を後援します。

全国の研究者・実践者の自由研究発表やホットな話題を取り上げたシンポジウムに参加してみませんか。

 

以下、プログラム詳細です。

日時2019年3月24日9:00~

於:大阪大学

 ◎自由研究発表1 31講義室(3階)
【司会】 大橋 基博(名古屋造形大学
・9:30~10:00 小学校の部活動に関する一考察

〜中山間地の小規模校に着目して〜 太田 直哉(名古屋大学大学院)

・10:00~10:30 部活動のあるべき姿とガイドライン

~全員加入制と地域連携の実態 小池 学

・10:30~11:00 高等学校の部活動指導における安全配慮義務自転車競技部の公道練習を中心に― 羽田 真(早稲田大学本庄高等学院
11:00~11:10 休憩

・11:10~11:40 部活動指導者に対する法的責任の追及について ○堀口 雅則(東京21法律事務所) 田原 洋太(小笠原六川国際総合法律事務所)
・11:40~12:10 スポーツ指導における暴力への方策に関する研究 ―運動部指導者の考えの分析から―

○村本 宗太郎(立教大学大学院) 田上 悦史
◎自由研究発表2 32講義室(3階)
【司会】 柴崎 直人(岐阜大学
・9:30~10:00 高校写真部の現状と課題

〜写真をめぐる環境の変化と写真部への影響〜 遠藤 覚 (静岡県立伊豆総合高等学校/静岡県東部高等学校写真連盟)
・10:00~10:30 神奈川県高文連かるた専門部におけるOBOGボランティアの取組

~部活動を基盤とした市民性育成論~ 由井 一成(学習院大学大学院)
・10:30~11:00 吹奏楽部の起源―運動部活動と比較して

― 田村 基成(東海大学付属浦安高等学校 学習院大学大学院人文科学研究科博士前期課程)
11:00~11:10 休憩
・11:10~12:00 文化部活動顧問の勤務実態を基にした教師像の再考

名古屋市における全国大会出場中学校を例にして― 〇玉木 博章(中京大学ほか) ○中村 茂喜(元名古屋市立中学校教員)

◎自由研究発表3 41講義室(4階)
【司会】 神谷 拓(宮城教育大学
・9:30~10:00 部活動への哲学的態度

-研究の構造と方法-
関 朋昭(名寄市立大学
・10:00~10:30 部活動の今日的な意義を考える

― 中学校学習指導要領(平成 29 年告示)「特別活動」の視点 ―
中尾 豊喜(大阪体育大学
・10:30~11:00
学校教育としての部活動の機能と役割の再考

~経営的視点からの整理~
〇伊藤 功二(兵庫教育大学院) 有山 篤利(兵庫教育大学院准教授)
森田 啓之(兵庫教育大学院准教授)
11:00~11:10 休憩
・11:10~11:40 「自治」からみた部活動における主体性形成に関する枠組みの検討 中島 輝(立教大学大学院)
・11:40~12:30 生徒が楽しめる部活動のあり方

ニュージーランドと日本との国際比較研究における部活動季節性の観点から

― 〇西尾 建(山口大学

○冨山 浩三(大阪体育大学
○三島 隆明(大阪体育大学

◎公開シンポジウム 51 講義室(5階)
学校部活動と近隣トラブル
【コーディネータ】 小野田正利(大阪大学
*「学校保護者関係研究会」(小野田が科研費・基盤研究(A)17H01021の代表者として組 織している科研研究会)が 研究成果の社会貢献として実施している「第12 回半公開学習 会」との共催企画として実施します。
【報告者】
・中間茂治(会員、藍野高等学校教諭(運動部系部活動顧問))
・林直哉(非会員、長野松本深志高校教諭、生徒会・放送部顧問)
・柳原真由(非会員、慶應義塾大学1回生・「鼎談深志」の創始者
・橋本典久(非会員、騒音問題総合研究所代表、八戸工業大学名誉教授)

◆お申し込みはこちら

https://kokucheese.com/event/index/551760/

 

 

★部活動指導員研修のお知らせ

現在、部活動を指導されている方、これから予定されている方、是非参加して欲しい研修です。

kokucheese.com

 

部活動指導員研修会 『学校教育の一環の部活動指導とは』~今、部活動を指導している方、これから予定している方のために~

部活動指導員研修 『学校教育の一環の部活動指導とは』
                        日本部活指導研究協会主催
                        学習院大学文学部教育学科共催
                           豊島区教育委員会後援

募集開始しました。

 前回の10月14日の部活動指導員研修 『学校教育の一環の部活動指導とは』には、たくさんの部活動関係者の皆さんにお集まり頂きまして、感謝致します。  
研修会後の感想でも高い評価を頂き、研修の意義を改めて実感致しました。

 

次回もスポーツ庁が策定した運動部活動の在り方に関するガイドラインの解説を含め、部活動に関わる方々のためになる研修会を計画しております。


例えば、学校教育と社員教育の違いは何でしょう。部活動の指導と民間クラブの指導との違いは何でしょう。


この研修のなかに、この辺りの問いかけに対する答えの大きなヒントがあるはずです。

 

更に、今の時代に求められている科学的な指導、安全の確保や事故発生後の適切な対応についても実践例をもとにわかりやすくお伝え出来ればと思っています。

 

そして、何より生徒が生き生きと活動出来る部活動運営のための研修会になればと考えております。
◎講習終了時には、当協会認定の「部活動指導員研修」受講証書が交付されます。 研修実績としてご活用下さい。
<詳細>
2019年3月16日(土)
会場:学習院大学 中央教育研究棟301教室
 参加費及び資料費 学校教員2,000円  一般及び部活動指導員3,000円 学生1,000円
(当協会会員無料)
 1部:13:00~14:00 スポーツコーチング 
           講師:3Dコーチングジャパン代表 西澤 隆
  ~生徒の長所を最大限に活かすコーチングについて3Dコーチングの手法で解説~
 2部:14:00~15:30 部活動指導のガイドライン解説  
           講師:日本部活指導研究協会 代表理事 中屋 晋
  ~部活顧問の経験と海外でのコーチ経験をもとに部活動指導のガイドラインを具体的に解説~
 3部:15:40~16:40 日本の部活動の現在・過去・未来 
           講師:日本部活動学会  会長 学習院大学教授 長沼 豊 
  ~部活動の歴史を振り返り、部活動の現状と未来を考える~
質疑:16:40~

 

◎お申込みこちらから

3月16日 部活動指導員研修 『学校教育の一環の部活動指導とは』(東京都)

 

◎お問い合わせ先
info@bukatsu-japan.com

部活動学会第1回研究集会 報告レポート

部活指導研究協会の中屋です。

今回は部活動学会第1回研究集会の報告レーポートです。

当協会も後援団体として参加した部活動学会の研究集会が今月2日に仙台、宮城教育大学で開催されました。

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メディアの取材も多く、注目の集会になりました。
以下、NHKニュースのリンクです。
https://www3.nhk.or.jp/tohoku-news/20181202/0003772.html

テーマは「部活動実践の新展開―『ブラック部活』を乗り越える観点とは―」と題して実践発表と議論がなされました。

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(事務局長としてご挨拶させて頂きました。)

 

 

■まず、会場校の宮城教育大学の准教授の神谷先生の基調講演から始まりました。
(1)自治というキーワード
「部活動における自治と学びを可視化する」と題した基調講演は、本日のキーワード「自治」によって部活動をいかに教育活動として捉えていくかについて、実践に即した提案がなされました。

神谷先生によると、「ブラック部活」という状況は、教師の勤務時間だけの問題ではなく、まさに教育内容の問題で、そこから議論を始めるべきとのこと。

つまり、学校の教育課程は「学習」と「自治」を基本概念として成立しているとの指摘があり、まず、「自治」について現状を把握するための調査が必要であると述べていました。

自治」とは、自分たちに関することを自らの責任において処理することを指しますが、この「自治」を取り入れた運営が部活動の諸問題に対する有効な取り組みとして紹介されました。

(2)自治の第1歩は現状調査から
まずは、現状の部活動の自治の実態がどのよなかたちでなされているかの調査から始まります。これには、神谷先生考案「神谷メソッド」の確認シートの活用が紹介されました。

内容は、「部活動の活動計画は誰が立てているのか」、「会計予算は誰が立てているのか」、「大会出場に出場するかどうかを誰が決めているのか」など、日常的に、部活動で決めなければいけない項目について決定者を特定するものです。

恐らく多くの学校では、顧問の教師が当たり前のことのようにやってきた事柄ばかりだと思われます。

(3)どのように学習と自治を励ますか
部活動の顧問が現状について関係者と情報共有し、さらにこの現状について何をしようとしているのかも可視化することが必要です。

これは、顧問が1人で考え、1人で対応することを止めるということだと思います。そして、生徒を励ます側に立ち、1人で問題を抱え込むことから自ら距離をおいて部活動と向き合う工夫をする。

ただ、顧問と共通の認識を持ち、共通の目的を設定することによって、日常の決定事項を単純に生徒に預けてしまうということではなく、お互いが納得して自治内容を決めるということです。

(4)部活動の評価
教育活動では、子どもが自ら課題に働きかける行為が重視されるべきです。ですから、部活動を大会での戦績のみで評価せず、いかに自分もしくは自分たちで課題を解決したかを評価の中心に置くべきです。

1つの目標に向かって取り組むことから、たくさんの学びはありますが、勝つことだけがその評価の対象になりがちだと思います。やはり、教育活動である限りにおいては、課題への取り組み姿勢や過程を評価することが重視されるべきなのです。

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■学校現場の自治を取り入れた実践報告
山梨英和中学校・高等学校 堀江なつ子先生
「剣道部における自治と学習」
北海道札幌稲雲高等学校 中島憲先生
「高校演劇の1年」
駿河台大学現代文化学部 平野和弘先生
「水泳部における自治と学習」

■シンポジューム
神谷先生がコーディネーターとなり、実践報告された先生方と会場の出席者と議論をしました。

個人的には、駿河台大学の平野先生が、この自治と学習の先駆け的な取り組みを数10年前に、全日制高校と定時制高校で実践されことが興味深く印象に残っています。

平野先生の自治への取り組みの特徴は、「決定権を預ける」というところです。それによって決定する力を育てるという狙いがあるのですが、決定させるまでのプロセスも育てるというところがポイントではと感じました。

もちろん、生徒が決定した事項について教師は勝手に覆すことは出来ません。それには教師も手続きを踏む必要があるのです。これはまさに民主教育であり、社会参加意識の育成に繋がるものでもあると感じました。

民意の形成の手続きを体験させることは、非常に重要なことだと思います。しかし、一方では、指導者側に、「我慢」という力量も求められる取り組みでもあるとも思います。

平野先生の「全ての部活に自治が追求する必要はない。やらざるを得ないという顧問は、自治を考えて活動を考えればいい。」という発言がありました。

さらに「自分で教えられないことのジレンマを持っていた。だからこそ生徒に考えさせることが出来る。」ともおっしゃっておられました。つまり、専門性がないからかそ、自治を活用すればいいので、これも1つの方向として価値ある取り組みではないでしょうか。

今回のテーマ「自治」に根差した部活動は、まさに正論です。現場は綺麗ごとでは済まされないという意見も聞こえてきます。しかし、学校教育では正論の力をもとに教育がなされなくなることは、大きな問題だとも思います。

正論とは、目的に真っ直ぐ向き合ったうえで出された答えであり、学校教育の一環として部活動があるのであれば、その目的から外れないようにその在り方を考えるのは当然です。

自治への取り組みはまさに正論であり、部活動を支える大きな骨組みの1つとして意識を共有すべきであり、今後の展開に注目したいと思います。