部活指導研究協会通信

日々、生徒と真剣に向かい合う部活関係者に送ります。部活動が果たすことの出来る役割を最大限に発揮させるための活動を行っています。

指導者を選ぶ基準


指導者として生徒に強制的にさせる練習方法は否定的な見方が多いです。しかし、私自身の成長してきた過程において、自発的な取り組みだけではなく、強制的にやらされた場面が少なからずあったような気がするのです。

スポーツコーチの指導書には、「強制的にやらされること」と「自発的にやること」の比較では、生徒が「強制的にやらされること」を肯定的に書かれたものはまず見かけません。

好きなことを好きなようにやって、やりたいことをやりたいようにやって、そこで得られる成長もあると思います。ただ、それだけではないとも思います。

やりたいからやるというのとは別に、やらざるを得ないという状況のなかで変化し、成長することも否定出来ないと思うのです。つまり、好きでやったわけではない、否応なしにさせられた効果も確かにあるのではないか。

「こんな練習やりたくないなあ」などと、どんな生徒も思うことはあると思います。この様な「させられる」という状況で、最低限必要なことがあるとすれば何か、それは「納得をする」と言うことです。この納得には2種類あります。理屈で納得するパターン、理屈抜きで信頼で納得するパターンです。

理屈で納得するパターンは、指導者の説明を聞いたうえで指導の効果や狙いを理解して納得するということですが、なかには本人の理解力や経験不足ということもあり、ある一定の限界が見えてしまうこともあります。それに対して、信頼のうえで納得し、ある意味「委ねる」という取り組みのパターンの場合、自分の未知の世界に触れる可能性も高く、想像を超えた変化が得られ、指導の可能性は広がりやすいとも言えます。

理屈抜きでの納得と言うのは、この人の言うことだから大丈夫だろうということです。信頼のうえに納得した関係には、徒弟制度、つまり師匠と弟子の関係があります。弟子は、師匠に自分を「委ねる」ことで成長します。
一流の指導者は、全てを逐一説明するという関係ではなく、少ない説明で信頼によって納得を得る関係を構築します。明らかに、こちらの関係の方が合理的と言えます。

しかし、この信頼の納得によって「委ねる」ということは、実は、選手側には、大きな賭けでもあります。とんでもない人に振り回され、酷い目にあうこともあるからです。あってはならないことですが、信頼を裏切られることも時にはあります。大事な事は、その指導者が本物であるかどうかを判断する力が必要だと言うことです。

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この判断は、なかなか簡単に出来るものではく、難しいことだと思います。ここで、私の経験上ですが、信頼できる指導者の判断基準を最後に以下にご紹介します。この条件で今まで間違いはなかったので、参考にして下さい。指導者として目指す基準ということでもよいと思います。

本物の指導者を見極めるための基準
1、第3者による評価を受けている。
2、指導内容に科学的な裏付けを持っている。
3、持っている知識、技能が常にアップデートされている。
4、周囲の意識や風潮に流されない意志を持っている。
5、損得抜きに全力で取り組んでいる。