スポーツ指導講習会に定期的に参加して勉強させてもらっています。たくさんの優秀な指導者の理念、指導法を学びました。学んだ内容を生徒の指導のために活用し、指導現場で効果を上げられた方も多いと思います。
しかし、最近、個人的に感じていることがあります。優秀な指導者の方々は、言葉の選び方、口調、目線、リーダーシップ、どれも卓越したものがあり、その結果、素晴らしい指導成果になっているようなのですが、それらは、かなり個性によるところが大きいのではと感じています。
つまり、誰もが真似できるものではない。そんな感じをしています。もちろん、参考になり学ぶ点はたくさんあります。ですから、優秀な指導者の方々の指導方法を学ぶ機会は必要だと思います。
それでも、その前にその素晴らしい講習を長期的な視野に立った制度や仕組みに乗せて、良い理論・指導法が大きな効力を発揮出来るようにすることが、優先して必要なことだと思います。
部活動を指導したい人が指導をして、したくない人はしなくて済むかたちにしなくてはならないのですが、同時に誰でも指導できる仕組みを作る必要もあると思うのです。教員でも外部指導者でも参加できる指導者育成システムを作らなければなりません。
生徒が安心して参加出来る部活動にするためには、正しい指導を適切な制度のうえで施すべきです。文科省の政策で、たくさんの部活動指導員が全国に配置されました。定期的な研修も義務付けられています。しかし、実態はどうでしょう。
指導者育成のシステムがないため、付け焼刃のような研修が多いという話をよく耳にします。今回は確かに国からの予算が下りて助成されていますが、果たしてこの予算も継続的な性質のものなのか、数年で打ち切られ、後は地方自治体に丸投げされるのではないか。だから、本腰を入れて研修制度を作れないと、そんな懸念をもっている教育委員会も多いと聞きます。
正しい指導法を広めるための制度作りを国全体で本気で考える時期に来ていると思います。